禁じられた聖杯教本部

カードショップでも許されているタイプの宗教勧誘をしてます。気が向いたらデッキ紹介の記事を書いてるのでよかったら見て行ってくだされ。

獣族主軸スクラップデッキについて(1103ゲートボール)

01.はじめに

皆さん新年あけましておめでとうございます。

ここ1年特に紹介するほどのデッキもなかったので長らく冬眠状態になっていました。

(ラッシュデュエルばかりしていたというのもあるけど)

年も明けましたし1本くらい投稿したいなぁと思っていたところ、先日カイザさん(@kaixa913xxx)主催の川崎新年会2022(かもめ亭ルールの1103ゲートボール形式)にて優勝という成績を収めることができたので、そこで使用した獣族主体の【スクラップ】について執筆することにしました。

普段から1103ゲートボールを頻繁にプレイしているというわけではなく、1103当時としても【スクラップ】を使ってはいたものの友人間の対戦であり、環境への理解は全く足りていない若輩者の駄文ではありますが、良かったら見ていってくれると嬉しいです。

 

02.レシピ、プランの選択について

早速ですが、レシピは下記のようになっております。

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【スクラップ】と言えば「スクラップ・エリア」による高いチューナー確保能力に注目し、「サイバー・ドラゴン」や「墓守の偵察者」などの特殊召喚が可能だったり場持ちの良いモンスター、「ライオウ」や「魔導戦士ブレイカー」などの汎用性の高いレベル4モンスターを中心に採用して積極的に「スクラップ・ドラゴン」をシンクロ召喚していくタイプが一般的だったかと思います。

「スクラップ・ドラゴン」は2800という1103環境においては殴り負けが基本的にない高打点、前も後ろもOKな万能破壊、破壊されても後続を残せるという非常に強力なモンスターであり、主軸として申し分ない性能をしていますので順当なプランだと思いますし、私も当時はそういったタイプで使用していました。

 

しかし1103ゲートボールという環境を知り、再び対戦を重ねていくうちに上記のタイプの弱点が気になり始めました。

弱点というのはズバリ「スクラップ」モンスターの打点の低さです。

「スクラップ」モンスターは主軸となるモンスターの打点が1700と1600であり、直接攻撃に加わるなら中々優秀な火力になるものの、相手のアタッカーと戦闘になった場合は基本的に撃ち負ける程度の数値しかありません。

戦闘で相手にプレッシャーを掛けられないとなると、勝つためにはこちらから仕掛けていくしかないですが、そうなると展開に必ず召喚権を使用するため潰しどころが見極めやすいという【スクラップ】の構成上避けられない問題点が重くのしかかります。

 

そこで考えたのが「スクラップ・ドラゴン」の早期着地は切り、「幻獣の角」の採用により各種下級モンスターでも相手に一定のプレッシャーをかけられるようにしたのが今回の構築になります。

 

03.「幻獣の角」の採用により生まれるゲームメイク

「幻獣の角」は獣族及び獣戦士族にのみ装備可能な罠装備カードで、800のパンプと装備モンスターが相手モンスターを戦闘破壊し墓地に送った場合の1ドロー効果を持ちます。

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これを装備することで「スクラップ・キマイラ」と「スクラップ・ビースト」という触る機会の多いモンスター2体の攻撃力は2500と2400となり、最上級モンスターの打点ラインにやや届かないくらいの数値となります。

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まぁ装備モンスターを失ったらそのモンスターと装備カードの分で二重にディスアドバンテージを負う装備カードを使用している以上その程度は当たり前ではありますが、【スクラップ】に採用する「幻獣の角」は「スクラップ・スコール」との優れた相性補完や「幻獣の角」の効果そのものによりそういった不利益がかなり少ないです。

 

【スクラップ】の基本戦術として「スクラップ・ビースト」に対して「スクラップ・スコール」を発動し、「スクラップ・キマイラ」を墓地に送りつつ「スクラップ・ビースト」を破壊することで「スクラップ・キマイラ」をサルベージするという動きがあります。

この動きはカードの総数を減らさずに墓地に「スクラップ・ビースト」、手札に「スクラップ・キマイラ」という状態を作ることができるので非常に強力な動きといえます。

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そのため【スクラップ】は「スクラップ・スコール」の対象にできるように攻撃力の低い「スクラップ・ビースト」も基本的に攻撃表示で召喚します。

そしてこの「スクラップ・ビースト」+「スクラップ・スコール」という構えは「幻獣の角」が存在しない場合、相手にとっては攻撃に全く裏目がない状態です。(攻撃が通るならよし、「スクラップ・スコール」で逃げられても直接攻撃になるだけなので)

「スクラップ・スコール」があるならば直接攻撃を食らうものの次ターンの準備はできるのでまぁいいか、となりますがなかった場合が問題です。

戦闘破壊によりディスアドバンテージを負い、次のターンの切り返しも他の手札次第となります。

しかしここに「幻獣の角」が採用されていると状況は一変し、相手モンスターを逆に戦闘破壊し効果により1枚ドロー、シンクロ召喚しなくても十分強力なモンスターが場に残ります。

相手が「幻獣の角」の存在を意識して攻撃をしなかった場合、本来は戦闘破壊により-1だったところが何も起こらず0となっているので、それはそれで良いと言えます。

このように「スクラップ・スコール」は「スクラップ」モンスターの打点不足も相まって戦闘破壊を誘発しやすいカードですが、「幻獣の角」によりそれを逆手に取れます。

 

逆に「幻獣の角」はダメージステップに発動可能でチェーンしての対処が非常に困難なカードであり、装備対象となるモンスターの事前の破壊が現実的な対処手段となるので、効果破壊を誘発しやすいカードと言えます。

しかし装備対象候補の効果破壊による対処は「スクラップ・スコール」によるサクリファイスエスケープの可能性が咎めます。

このように「スクラップ・スコール」と「幻獣の角」はお互いがお互いの誘発する状況へのカウンターとして成立しており、優れた相性補完ができています。

また、装備カードは装備した後も装備モンスターが除去された場合に一気に複数のカードを失うため本来は装備後も除去が痛いです。

しかし「幻獣の角」は発動が通って相手モンスターを戦闘破壊した時点で相手モンスターの戦闘破壊と効果による1ドローが、その後に破壊された場合の-2を相殺しているので、これもそこまで気になりません。

これは「スクラップ・ドラゴン」成立のため、自発的に「スクラップ・スコール」の対象とした場合も同様です。

 

04.「スクラップ」以外の獣族モンスターの採用について

上記の通り非常に【スクラップ】と相性の良い「幻獣の角」ですが、当然「スクラップ」モンスターだけでは装備対象が少ないので、そのほかにも装備できるモンスターの採用が必要になります。

今回は「王虎ワンフー」と「巨大ネズミ」を追加で採用しました。

王虎ワンフー」は強制の誘発効果により攻撃力1400以下のNS・SSされたモンスターを即座に破壊できるモンスターです。

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ライフカットが遅い【スクラップ】は、ショートゲーム狙いのコンボデッキには基本的に不利ですが、そういったデッキは攻撃力1400以下のモンスターを主軸としますので、「王虎ワンフー」を置いておくだけで相手の行動に制限をかけることができます。

また元々特別相性不利というわけではないですが、【ガジェット】に対しても非常に突き刺さります。

現代でも重宝される非常に強力な効果を持つものの「スクラップ」モンスターと同じくアタッカーの標準ラインに及ばない打点が弱点のモンスターですが、「幻獣の角」を採用している今回の構築ではむしろメリットと捉えることもできます。

「スクラップ」モンスターと違い効果破壊への対処は「禁じられた聖槍」くらいでしかできませんが、「禁じられた聖槍」を使っても自身の効果によりある程度自衛できるのは良いところです。

 

「巨大ネズミ」は地属性の属性リクルーターです。

今回はリクルート先として「スクラップ・ゴブリン」と「お注射天使リリー」を採用しています。

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一応「幻獣の角」を装備することは可能ですが、攻撃表示で召喚することが稀なことと、「幻獣の角」が呼びやすい効果破壊がそのまま「巨大ネズミ」自体への対策となってしまうことから装備優先度は低めです。

 

05.その他の採用カードについて

「幻獣の角」及びそれに伴う獣族の採用以外の部分においては、概ねスタンダードな構築になっていますが、1枚だけ賢者採用カードがあるのでそれだけ説明させていただこうと思います。

「お注射天使リリー」です。

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ダメージ計算時にライフを2000払って打点を3000上げるというぶっ飛んだ効果を持った元禁止カードですが、1103時点ではカードパワーのインフレに伴い無制限カードとなっています。

前回のかもめ亭(一昨年)に向けての調整の最後の方で天啓が舞い降りたので採用されました。

では早速どのあたりが強いのか見ていきましょう。

 

①システムモンスターに強い

召喚バトルで即3400となれるので、「エヴォルカイザー・ラギア」(「巨大ネズミ」でのリクルート経由)、「六武衆-シエン」、「ナチュル」シンクロモンスターといった置物に刺さります。

【スクラップ】は小型モンスターへの対策をサイド以降で呼び込むことはないので、これの妨害はサイド込みでもせいぜい「月の書」、「次元幽閉」、「神の警告」、「神の宣告」くらいで、「次元幽閉」以外ならそれらを食らって結果攻撃が通らなくても良いトレードかと思います。

 

②ゲームスピードをコントロールできる

【スクラップ】は通常ライフカットの遅いデッキですが、強引に短期戦に持ち込むことができます。

特にアドバンテージ確保には縦でモンスターを出す必要がある【ガジェット】に対しては、基本的にこちらのライフロス以上のライフを削れることもあり、かなり優位に働きます。

 

③珍しい種族・属性の組み合わせ

地属性・魔法使い族という少々変わった種族・属性をしており、「スクラップ・ゴブリン」とは「ナチュル・パルキオン」を、「スクラップ・ビースト」とは「アーカナイト・マジシャン」をシンクロ召喚可能です。

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どちらも強力なシンクロモンスターであり、「お注射天使リリー」の場持ち自体がそこそこ良いことも相まって攻めの起点として非常に優秀です。

(あとこいつも出ます)

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「巨大ネズミ」からのリクルート先としては「N・グラン・モール」が競合対象になりますが、こちらはより攻撃的なプランだと思います。

 

06.弱点について

強みがあればまた弱みもあります。

この構築の弱みはズバリ「モンスターとのコンボを前提としたカードが多いため、状況によってカードが腐る場面が通常より発生しやすい」です。

「スクラップ・スコール」と「幻獣の角」は相性補完に優れた組み合わせだといいましたが、どちらも特定のモンスターを必要とするカードでもあります。

対象とするモンスターが引けなければ使い道がありません。

また、「幻獣の角」を活かすために汎用的なモンスターの採用を切っていますので、モンスターの打点は一般的な【スクラップ】に比べて一層低くなっています。

そのため、ジリ貧になった場合にそのまま負けに繋がりやすいです。

 

07.終わりに

元々は【HEROビート】の「E・HEROアナザー・ネオス」と「デュアル・スパーク」の構えをスマートに突破する方法ねぇかな~ということで採用し始めた「幻獣の角」でしたが、それを中心に中々良いデッキになったと思います。

今後も定期的に1103ゲートボール楽しんでいきたいです。

 

最後にこれは優勝を決めたラストアタックです。

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